外壁材と外壁材との間には、コーキングと呼ばれる弾力性に富んだ目地充填剤が使われています。
コーキングは外壁を守るために必要なものですが、コーキング自体に寿命があるため定期的に点検して補修する必要があるのです。
今回は、コーキングで一般的に行われている補修方法や補修にかかる費用について解説します。
外壁のコーキングとは
コーキング(caulking)あるいはシーリング(sealing)とも呼ばれており、サイディングボードやALCパネルなどの工場で生産された外壁材同士の間を貼り付けるのに使われる、弾力性に富んだ樹脂系の目地充填剤のことです。
コーキングとシーリングに違いはある?
コーキングとシーリングの違いは曖昧で、業者によって反対に使われていることもあるようです。厳密に言えばコーキングには隙間を埋めるという意味があり、シーリングには密閉するという意味があります。
そのため、コーキングは目地に詰め物をする時に、シーリングは防水などを目的に目地を埋めるときなど、分けて使われます。
コーキング(シーリング)の役割
外壁材は非常に硬いため気温の変化などによって膨張することがよくあります。外壁材同士を近づけすぎてしまうと素材同士がぶつかってしまい、破損の原因となってしまいます。
そのような破損を防ぐことを目的として、コーキング(シーリング)は行われています。
ただ、コーキング自体も風雨などにより経年劣化によってひび割れてしまうことがあるので、長く使っていくためには定期的な点検をする必要があるでしょう。
外壁コーキングの補修が必要な劣化症状
ここではコーキングの劣化によって引き起こされてしまう症状について、確認していきます。
ひび割れ
ひび割れが起こるということは、素材そのものの柔軟性が低くなっているサインです。
ひび割れを放置することによってコーキング材の硬直が進み、真ん中から切れてしまう破断という状態になってしまいます。劣化がここまで進んだ場合は、早急に補修が必要です。
肉やせ・剥がれ
コーキングの弾力が弱まり施工した部分がやせ細ることを肉やせと呼びます。肉やせという現象が起こることによって外壁材との間に隙間が生じ、この状態をさらに放置することによってコーキングの剥がれが生じます。
肉やせやコーキングが剥がれた隙間から雨水が侵入すると、建物の腐食やシロアリの発生の原因となってしまうため、見つけたらすぐに補修やリフォームを行うことが必要です。
ブリード現象
ブリード現象は外壁の劣化で起こるというよりも、業者の施工不良によって起こることが多いです。
ブリード現象は表面が黒くなってしまうため見栄えが悪くなりますが、この現象により問題が起きることはありません。そのため、すぐに補修が必要ということではありませんが、見栄えが気になる場合は補修が必要となります。
コーキング自体は外壁の目地を埋めるためだけでなく、外壁材のズレを吸収するという役割も持っています。コーキング自体が劣化して弾力性を失ってしまうと、外壁に異常が発生する要因ともなるので、見つけ次第補修をするようにしましょう。
外壁コーキングの補修方法
外壁のつなぎ目を埋める役割を持つコーキングは劣化しやすい部分でもあるため、定期的に補修を行う必要があります。
コーキングの補修方法には、大きく2種類の方法があり、どちらを選ぶかはその時の状態によって変わってくるので、専門家のアドバイスを受けながら選択するといいでしょう。
打ち替え
打ち替えは既存のコーキング部分を一度剥がしてから新たにコーキング材を充填していく方法です。
一度の打ち替えで耐用年数が7年〜10年程伸びるといわれているため、家を守るという観点から見ればおすすめの方法です。
しかし、撤去するための費用と充填するための費用が二重に発生してしまうため、工事費用が高くなってしまう面もあります。
増し打ち
増し打ちという方法は、既存のコーキングはそのままにして新しい充填剤をその上からかけていくというやり方です。状態がそれほど悪化していない場合に多く取られる方法でもあります。
コーキングのひび割れなどの状態がひどい場合は、増し打ちをしても効果がないことがあり、古いコーキングと新しいコーキングが馴染まないこともあるので、状態によってはすすめられないこともあります。
外壁コーキングの補修にかかる費用相場
外壁コーキングの補修にかかる費用には一般的な相場がありますので、工事を依頼する前にどれぐらいの予算が必要か確認しておきましょう。
コーキング工事の場合はm単価で計算されるため、合計数が長いほど費用も増大していきます。
打ち替えにかかる費用
打ち替えにかかる費用はmあたり約900〜1200円ですが、さらに既存コーキングの撤去費用として約1〜3万円が必要です。高所での作業が必要となる場合は、足場の設置費用として約15〜20万円がかかります。
増し打ちを行った時にかかる費用
増し打ちは元あるコーキングの上から新たに充填剤を注入するため、打ち替えよりも使用するコーキングの量を抑えることができます。工事期間が短縮できる分、打ち替えを行った場合に比べて低く抑えられます。
増し打ちにかかる費用はmあたり約500〜900円ですが、古いコーキングの撤去費用が必要でないので約1〜3万円の経費を削減できます。
コーキング剤の種類によってはさらに費用を抑えられることもあるので、予算を抑えたいと思う場合は専門業者に相談してみるといいでしょう。
まとめ
今回は、コーキングで一般的に行われている補修方法や補修にかかる費用について解説しました。
コーキングは外壁を守るために必要なものですが、コーキング自体にも寿命があるため定期的に点検して補修する必要があります。
コーキングは大切な家を長持ちさせるためにも重要なものでもありますので、ひび割れ等の劣化を見つけたときには、すぐに専門業者に相談するようにしましょう。