外壁塗装の費用を抑えるために、施工を業者に依頼せずDIYでする場合、道具や塗料は比較的揃えやすいです。
しかし、材料費や道具を用意する金額もそれなりにかかりますし、いくつか注意点もあります。
この記事では、自分で外壁塗装に挑戦する場合に失敗しないための準備や作業の流れ、注意すべきポイントなどについて見ていきます。
外壁塗装をDIYで行う手順と流れ
外壁塗装をDIYで行う場合でも、作業手順は基本的に業者が施工する流れとほぼ同じです。
壁の洗浄
まず、壁の洗浄を行います。汚れたままの状態で塗装をしても、均一に塗りにくく塗料がはがれやすくなり、十分な結果を得られません。高い場所は足場を使い、高圧洗浄機や目の細かいやすりなどで汚れや埃をしっかり洗い落しましょう。
補修
次に、外壁でひび割れや釘の打ち跡などの塗料が浸透する箇所をコーキング等で補修します。以前のコーキング材が劣化しているときは、はがしてやり直すのもよいでしょう。これらの作業は外壁の強度に大きく影響しますので、丁寧に行うことが重要です。
養生
下準備を終えたら、植木や地面、窓ガラス、ドアなどをシートや専用のマスキングテープで養生したのち、塗装します。塗装は下塗り、中塗り、上塗りと回数を重ねた方が美しい発色で、強度も期待できます。
用意しておきたい道具と費用
DIYで外壁塗装をする場合、専用の道具を用意しなければなりません。
軍手や作業服、脚立などは自宅にあるものを使って問題ありませんが、壁の洗浄用の高圧洗浄機ややすり、下準備用のコーキング材やコーキングガンなどは手持ちがなければ購入する必要があります。
また、塗装用の刷毛やローラーもしくはスプレーガン、マスキングテープや養生シート、養生用のガムテープなどは新たに購入することになるでしょう。
もちろん、下塗りや仕上げ用の塗料は必要ですし、2m以上の高さで作業をするときには足場のみ業者に依頼して設置してもらわなければなりません。
おおよその費用としては、道具類が1~5万円前後、塗料代が1平方メートルあたり1,000~3,000円程度と考えて、平均的な住宅で15~30万円程度です。また、足場代は10~30万円程度と考えておくと良いでしょう。
外壁塗装で使用する塗料の選び方
外壁塗装の塗料は、個人でも入手可能です。ただし、DIYに適しているものと業者向けのものがありますので、きちんと選び方を理解しておいた方が良いでしょう。
下塗りの塗料は大きく分けてシーラー塗料とフィラー塗料がありますが、後者は扱いが難しくDIY向けではありません。
シーラー塗料にも水性と油性があり、水性タイプは浸透しやすく乾燥に時間がかかるため、傷がある外壁の場合は油性がおすすめです。
上塗り用の塗料は種類が豊富ですが、耐用年数や特徴、コストが異なりますので、予算を考慮しながら選びましょう。
フッ素塗料や光触媒塗料、無機塗料は高性能な反面、高額で高い技術力を要するため、DIYには不向きです。使いやすい塗料を耐用年数で比較するならシリコン塗料がおすすめですが、重ね塗りが難しく、単価は若干割高です。
頻繁に塗りなおすなら価格が手ごろで発色の良いアクリル塗料が扱いやすいですが、耐用年数はやや短めになります。
一方、ウレタン塗料は紫外線に弱く変色しやすいものの、使い勝手と耐用年数、コストのバランスに優れています。
外壁塗装をDIYで行う際の注意点
外壁塗装をDIYで行う場合、大掛かりな作業になるためいくつか注意点があります。
まず、高所で長時間の作業を行うことになりますので、安全には十分な配慮をしましょう。
広範囲の外壁をむらなく塗るためには、はしごや脚立よりもきちんとした足場がおすすめです。塗装にむらがあれば塗りなおした意味がありませんし、落下の危険性も高くなります。
一方で、足場を長期間レンタルすると費用がかさみますので、高所は業者に任せるなどの妥協案を考えるのもよいでしょう。
また、きれいに塗装するには下準備が重要です。洗浄やコーキングを丁寧に行うことで、仕上がりや耐久性にも影響が出ますので時間をかけて丁寧に行いましょう。
塗料は一度付着すると落としにくいため、養生をきちんとしておくこともきれいな仕上がりには欠かせません。
DIYと業者に依頼した場合のメリット・デメリット
外壁塗装をDIYにした場合と業者に依頼した場合、それぞれにメリットとデメリットが生じます。
DIYのメリットは、何と言っても費用を抑えられること、自分の好みの塗料を使い、全体のデザインができることです。
一方、高所の作業など危険が伴うこと、一人で作業をするので日数が業者以上に必要なこと、仕上がりに不安が残ることなどがデメリットとして挙げられます。
DIYのメリットである費用面に関しても、上手く塗装ができずに結果的に業者に依頼することになったり、足場のレンタル日数延長や不足分の塗料などの追加料金が発生したりした場合、結果的に最初から業者任せにするよりも高くなってしまう可能性があります。
実際に道具類や塗料を購入する前に、作業工程や予算、必要日数の目安などをシミュレーションしておいた方が安心です。
まとめ
今回は、外壁塗装をDIYでする場合の手順や大まかな費用、注意点等についてお伝えしました。
自分で作業する場合と業者に依頼した場合のメリット、デメリットを比較して、作業に要する手間や費用、時間などを考えてもDIYで挑戦するのか、作業が困難な場所を業者に任せるなどの方法を検討するのか、自分に合った方法を考えてみましょう。