外壁塗装は家の外観に関わる非常に重要な工程です。そのため、外壁の色選びは慎重に行う必要があります。
外壁の色選びに失敗してしまうと、折角のマイホームへの愛着も半減してしまうことでしょう。
今回は、外壁塗装の色を選ぶ際に失敗しないためのコツや、色選びで失敗した場合の対処法、後悔しない色の選び方などについて解説します。
外壁の色選びでよくある失敗例
まず、外壁の色選びで頻発する失敗について、具体的な事例をいくつか紹介します。
仕上がりがイメージと違う
家の外壁は、洋服の試着や車のカラー選びのように、現物を見て判断するということが不可能です。
外観の凹凸や陰影などは家ができあがるまではわかりません。実際の仕上がりを確認できないため、選んだ色と仕上がりのイメージのすり合わせを行うのは極めて難しくなります。
結果として、当初思い描いていたイメージとは異なる仕上がりになってしまうのです。
サイディングを単色で塗装したら格好悪くなった
2色使いのサイディングは単色で塗りつぶしてしまうと単調で安っぽい印象になりがちです。
選ぶカラーにもよりますが、元はお洒落なサイディングが、うっかり単色で塗ってしまったばっかりにチープな仕上がりになってしまいます。
この点を意識せず工事を進めてしまい後で後悔した、というケースも少なくありません。
汚れが目立ってしまった
完成当時はきれいだったが、住んでいるうちに雨風を受けて汚れが目につくようになってしまったというのも失敗事例としてよくあるパターンです。
1~2年住んでいるうちに発覚するため、気づいたときには遅かったというケースといえるでしょう。
外壁の色で失敗が多い理由
外壁の色で失敗が多い理由はいくつか考えられますが、まず挙げられるのが、先述した「現物を予め確認できない」というものです。
現物を確認できない以上、完成形のイメージは非常に困難で、実際の仕上がりとイメージに齟齬が生じたり、日のあたり方や影のつき方などが色の見え方に及ぼす影響も未知数となります。
衣服と違い、イメージと違うからと言ってその場ですぐに返品や取り換えを行うわけにも行かない点が、外壁の色選びを難しくしているといえるでしょう。
また、外壁は日光や風雨に晒されるため、経年変化を起こします。完成した直後はきれいな仕上がりでも、年月が経つうちに先述した汚れの目立ちや、日焼けによる変色などによってだんだん見た目が悪くなってしまう可能性があるのです。
環境や気候の移り変わりは未知数ですから、どのように経年変化を起こすのかの予測は困難です。結果として、予想外の経年変化を起こしてしまい「失敗だった」と後悔してしまう可能性は十分にありうるのです。
色選びで失敗した場合の対処法
外壁の塗装が完了し、その段階で仕上がりを見て「失敗した」と感じた場合の対処法は2つあります。
1つは慣れるまで待つことです。ぱっと見た段階で失敗したと感じた場合、単純にその色や仕上がりの状況に目が慣れていない可能性があります。
また、先述した経年変化がプラスに働き、時間を経るごとに落ち着いた色合いに変わることも十分考えられるのです。奇抜な色を選んでいない限りは、見慣れるまで待ってみましょう。
それでもやはり納得出来ない場合は、もう1つの選択肢である「業者に相談し、新たな色に塗り直してもらう」という手段を取ることになります。
新たに塗装する場合は追加費用がかかってしまいますが、なぜ失敗したのか、どうすればイメージに近づくかを業者と相談すれば、よりイメージに近い外壁に仕上げ直して貰うことも不可能ではありません。
後悔しない色の選び方
外壁の色選びで後悔しないためには、色の選び方を工夫する必要があります。まず、「面積効果」を考慮しましょう。これは、外壁のような広い面積を塗装する場合、薄い色はより明るく、濃い色はより暗く見えるというものです。
この面積効果を最小限に抑えるために、色選びの際には大きめのカラーサンプルを用意してもらうとよいでしょう。
また、カラーサンプルを確認する場合は、蛍光灯ではなく実際の日光の下で見るようにするとよりイメージとのすり合わせがしやすくなります。
サイディングの場合は凹凸に合わせて2色で塗り分けたり、元の色を活かすクリア塗装を行ったりすることで、高級感のある仕上がりとなります。
また、経年変化を考慮する場合は、日当たりの良い部分には明るい色を用い、軒が浅く雨がかかりやすい部分には暗い色を用いるなど、工夫次第で日焼けや汚れの影響を抑えることが可能です。
何より、街並みとの調和を考えることも重要です。奇抜な色を選んでしまった場合、近所の住人とのトラブルに発展してしまう可能性もあります。
周囲の家や建物の色を参考にすれば、街並みから大きく浮くこともない上に、完成形のイメージもしやすくなるでしょう。
失敗を未然に防ぐ!業者への色の伝え方
外壁塗装の失敗を防ぐ上では、業者に対して色をできるだけ正確にわかりやすく伝えることも重要です。
もっとも確実な方法は、「カラーサンプルに振られている色番号を伝える」ということです。色番号を伝えれば、確実に希望する塗料を用意することが可能です。
カラーサンプルを確認する場合は、色の見え方と共に色番号も忘れずに確認しましょう。
また、色番号がわからない場合は、はっきりと「色の名前」を伝えましょう。その際には、業者側と色のイメージについて大まかにすり合わせを行うのがおすすめです。
自分は「グレー」と認識していた色が、業者側は「ベージュ」と分類している場合もあります。
視覚的なイメージを共有できれば、こうした認識の齟齬は回避できるため、発注前にはできる限りカラーサンプルや近いイメージの家の写真などを用意しておくとよいでしょう。
まとめ
外壁塗装によって、家の全体的なイメージが決まるといっても過言ではありません。自分の住む家に気持ちよく住むためにも、外壁の色選びは慎重に行う必要があります。
後悔しないためには、色選びのコツや業者への伝え方をしっかりと覚えておきましょう。
また、仕上がりを見てすぐに失敗したと判断せず、慣れるまで待ってみるのも一つの手です。住んでいるうちに、いつしか納得感や愛着が生まれてくることでしょう。